年末調整の社会保険料控除で、自分の社会保険料の給与天引き以外に扶養家族の社会保険料を控除したい。その時、社会保険料控除を受けられる?
年末調整で悩んでしまう社会保険料控除の3パターンについて解説していきます。
年末調整をおこなっていて、悩ましいポイント3つについて解説していきます。
今回は、年末調整の控除のうち『社会保険料控除』についてとりあげます。
パターン①扶養親族(年金受給者)の社会保険料控除できない
Aさんの年末調整を行います。
年金をもらっている人を扶養(※Bさん)しているとき、Bさんの年金から差し引かれる介護保険料と後期高齢者医療制度の保険料は、Aさんの社会保険料控除の対象にはなりません。
その保険料を支払ったのは、年金受給者のBさん自身でBさんの控除となるためです。
扶養しているのだから、Bさんの年金から引かれる介護保険料と後期高齢者医療制度の保険料もAさんの社会保険料控除になるかのように思いますが、なりませんのでご注意ください。
法的根拠は、『所得税法第190条第1項第2号のイとロ』です。
所得税法第190条第1項第2号のイとロ
イ
その給与等から控除される第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料(ロにおいて「社会保険料」という。)の金額及び第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金(ロにおいて「小規模企業共済等掛金」という。)の額
ロ
がその年において提出した給与所得者の保険料控除申告書に記載されたもの(第百九十六条第二項(保険料等の支払を証する書類の提出等)に規定する社会保険料の金額及び小規模企業共済等掛金の額にあつては、同項に規定する書類の提出又は提示のあつたものに限る。)に限る。)並びに第七十六条第一項(生命保険料控除)に規定する新生命保険料の金額及び旧生命保険料の金額、同条第二項に規定する介護医療保険料の金額、同条第三項に規定する新個人年金保険料の金額及び旧個人年金保険料の金額並びに第七十七条第一項(地震保険料控除)に規定する地震保険料の金額(これらの金額のうち当該申告書に記載され、かつ、第百九十六条第二項に規定する書類の提出又は提示のあつたものに限る。)につき第七十四条から第七十七条までの規定の適用があるものとした場合に控除されるべき金額
このように、年金受給者を扶養していて、その年金から差し引かれる介護保険料等は社会保険料控除にはなりません。
パターン②扶養親族 (年金受給者)の社会保険料控除できる
年金から、引かれている(特別徴収)介護保険料や後期高齢者医療保険料ではなく、市役所等で手続きをして、扶養者(Aさん)の口座振替もしくは普通徴収として納付書で扶養者(Aさん)が支払っている場合は、Aさんの社会保険料控除となります。
繰り返しになりますが、以下の場合は社会保険料控除の対象となります。
✅扶養者(Aさん)の口座名義からの引き落とし
✅コンビニ等で納付書で納めている
この場合、支払ったのはAさんなので、この2つのケースでは、社会保険料控除の対象となります。
※口座振替をAさん名義にできるのは、後期高齢医療保険料のみです。
介護保険料は、Aさん名義の口座振替にできません。(市町村で確認済)
パターン③年金と給与をもらっている人Bさんの介護保険料
Bさんは、年金も給与ももらっていて、Bさん本人の介護保険料はBさんの社会保険料控除となります。
✅ここで気をつけたいのが、年末調整の時期は12月だということ。
✅市役所からの通知が届くのは4月だということ。
そして、市役所からの通知の記載事項は、今年の社会保険料控除になる金額の記載と、来年の社会保険料控除の対象になる金額の両方が記載されています。
具体的には、
✅4月 ○○円
✅5月 ○○円
✅6月 ○○円
✅7月 ○○円
✅8月 ○○円
✅9月 ○○円
✅10月 ○○円
✅11月 ○○円
✅12月 ○○円
✅1月 ○○円
✅2月 ○○円
✅3月 ○○円
4月~12月分までが今年の社会保険料控除。
1月~3月までが来年の社会保険料控除。
通知書を2年間大切に保管し、年末調整の時期には2年分(2枚)の通知書を見てそれそれの年分の社会保険料控除として計算することになりますので注意が必要です。
まとめ
年末調整は、年に1回で毎年『確か…あっ、そうだった!!』と毎年同じことに悩み去年もそうだったと思うことがある人も多いのではないでしょうか。
わからないことは、調べるリテラシーの高い人はすぐにYouTubeや、sns、直でググったり内容によって答えにたどり着くことができると思います。
ただ、情報の信頼性を見極める力は、どれほどの数の検索をして答えにたどり着き、調べた結果をだしたかで力がつくと思います。
z世代の調べる速さや数は年齢では想像もつかないほど感服する毎日です。
今回は、年末調整の社会保険料控除の悩む3つについて解説しました。
知識を深めてもっと節税しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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