所得税の家事関連費って何?必要経費になるの?仕事とプライベートはどのように分けるの?
自宅家賃いくらまで経費になるのか?
元会計事務所で13年勤務し、約300人の確定申告書を作成したFPの私が解説します。
この記事を読むと、家事分とは何か。事業所得の必要経費にできる家事関連費がわかります。
結論は、家事分で経費におとせる金額は「職種」「環境」「仕事の内容」「頻度」「面積」等によって変わります。
家事関連費は経費で落とせます。何%おとせるかは、それぞれの状況で変わるということです。
家事関連費とは
家事関連費とはの前にまず、経費について考えていきましょう。
経費の定義を確認します。
経費とは、事業を行うためにかかった費用のことですが、「何に使ったお金がどこまで経費になるか」という明確な決まりはありません。
同じ場所で同じようにお金を使っても経費として認められるケースと認められないケースがあります。
そこで、経費として認められるかどうかのポイントとして経費を三つに分けて考えていきます。
経費の3つ
- 事業に関連のある経費(必要経費)
- 事業に関連がない経費(プライベートなもの)
- 事業に関連があるが全額ではない(家事関連費)
必要経費
こちらは100%経費になります。
プライベートなもの
こちらは経費にはなりません。
家事関連費
こちらは使用頻度、使用時間、環境、仕事の職種によって事業と関連性のある根拠をもってその割合分が経費として認められます。
家事関連費の具体例 & 家事関連費の仕訳例
家事関連費の『具体例』と『仕訳例』について見ていきます。
仕訳をする際は、「事業主貸」あるいは「事業主借」という勘定科目を使います。
事業主貸は、事業のお金を事業主のプライベートに使った場合、事業主借は、事業主のお金を事業に使った場合に利用します。
今回は家事関連費を使った場合ですので、「事業主貸」を使用します。
自宅兼オフィスの【家賃】
個人事業主の人や、一人社長の人など、自宅を事務所兼用で使っている場合について解説します。
地代家賃として計上できます。
持ち家の場合でも、事業で使うスペースの割合にもとづいて建物の減価償却費、固定資産税、住宅ローンの金利、火災保険料を按分することができます。
【具体例】
床面積40平方メートル、家賃10万円のマンションの20平方メートルを事務所として使っている場合。
20平方メートル÷40平方メートル=0.5
10万円×0.5=50,000円
経費として計上できる家賃は、10万円のうち5万円となります。
【仕訳例】
(支払時)
地代家賃/普通預金 100,000円
(家事分否認)
事業主貸/地代家賃 50,000円
自宅兼オフィスの【水道光熱費】
水道光熱費は、使用時間や使用日数を目安に按分します。
正確な数字を出すことは難しいので、請求額に割合を掛けて計算しましょう。
【具体例】
自宅兼オフィスを、1ヵ月のうち90時間程度(1日3時間×30日)、業務として使っており、その月の水道光熱費が2万円だった場合
90時間÷720時間(30日×24時間)=0.125
2万円×0.125=2,500円
経費として計上できる水道光熱費は、2万円のうち2,500円となります。
【仕訳例】
(支払時)
水道光熱費/普通預金 20,000円
(家事分否認)
事業主貸/水道光熱費 17,500円
事業用兼プライベートで使用する車【車両費】
車両費も、使用時間や使用日数を目安に按分します。
正確な数字を出すことは難しいので、ガソリン代、自動車税、【楽天車検】の車検費用等
れぞれについて計算しましょう。
【具体例】
運送業を営んでおり1台の車を配達として、1ヵ月のうち180時間程度(1日6時間×30日)、業務として使っており、その月のガソリン代が3万円だった場合
180時間÷720時間(30日×24時間)=0.25
3万円×0.25=7,500円
経費として計上できる車両費(ガソリン)は、3万円のうち7,500円となります。
※同様に、租税公課(自動車税)、保険料(自賠責)も計算してみましょう。
【仕訳例】
(支払時)
車両費/普通預金 30,000円
(家事分否認)
事業主貸/車両費 22,500円
まとめ
ここまで、経費の分類そしてその中の「家事関連費」についての具体例と仕訳を見てきました。
確定申告の期限も令和2年分は延長されているとはいえ、例年ですと、3月15日までとなっております。
追い込みで今現在決算書を作成している方に、今回の家事関連費の経費の計上をもって税金の計算をしていただきたいと思います。
その時は、「事業に関連ある根拠(数字)」をしっかりと書類として残し保管しておきましょう。
税務調査の時もその根拠をもって経費計上していることを正々堂々と調査官に伝えましょう。
それでは、確定申告頑張って作成していきましょう。
今の細かな集計、申告書作成が税額となって所得税、住民税、個人事業税、消費税となって節税に繋がりますからね。
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