

コロナ禍で住宅ローンが払えなくなってしまった。「借りたものは返す」が大原則なのはわかるけど、何か救済制度はないかな?

この記事は、新型コロナウィルスの影響による失業や収入減で、住宅ローンの支払いが苦しくなった人向けです。
生活再建を支援すべく残債を免除する制度が分かります。
コロナ禍で収入の見通しが立たず、住宅ローン返済の不安を抱えている債務者の一助となれば幸いです。
ローン減免制度とは

新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入が減少した人を対象に、住宅ローン、その他ローン(自動車ローンやカードローン)のその他の債務を抱える人の返済負担を軽減する制度が新たに開始されました。
新制度は自然災害による被災者向けの債務整理ガイドラインが改正されました。
今月の3月11日で2011年に発生した東日本大震災から10年になります。
巨大地震では、尊い命が奪われ、住宅被害は全壊、半壊、一部損壊を合わせて115万戸を超えます(2020年3月時点。)
そしてこの中には、住宅ローンを返済中の世帯も数多く含まれていたことは想像できます。
その時、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」により、東日本大震災では多くの人が住宅ローン減免をされました。
このガイドラインの背景には、それ以前の1995年の阪神、淡路大震災でおよそ1万5000人が既存の住宅ローンに加えて新たな借り入れによるWローン問題を背負わされ、当時は減免がなかったことがあげられます。
こういった事態が繰り返されないよう、私的整理に関するガイドラインが策定され、今回は新型コロナを対象に加えた特則で、2020年12月1日から適用されています。
ローン減免制度の3つの特徴
ローン減免制度の特徴は以下3つです。
ローン減免制度の特徴3つ
- 手続支援が無料
- ブラックリストに登録されない
- 財産の一部を残せる
手続支援が無料
新制度を利用する場合、弁護士などの「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられます。
手続きには金融機関との協議や書類作成などが必要ですが、専門家から無料で支援してもらえるため、ローン返済が困難な人にとっては利用しやすいといえます。
ブラックリストとして登録されない
債務整理を行う場合、通常は個人信用情報(ブラックリスト)に登録されるため、当面(5年~7年程度)は借り入れが難しくなります。
しかし、新制度なら個人信用情報(ブラックリスト)に登録されないため、将来の起業等の借り入れがしやすいメリットがあります。
財産の一部を残せる
債務者の生活状況や個別事情によって異なりますが、財産の一部を手元に残すことも可能です。
新制度を利用することで、通常の債務整理(自己破産など)より多くのお金を残せるかもしれません。
申請と注意点
ローン減免の新制度を申請するときの流れは以下の通りです。
ローン減免の申請手順
- 借入先の金融機関に手続着手を申出
- 専門家による手続支援の開始
- 債務整理の申出
- 特定調停の申立
- 調停条項の確定(債務整理の成立)
新制度の利用を希望する場合、まずは最も多額のローンを借りている金融機関に手続着手の申出を行います。
金融機関の同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて登録支援専門家による手続支援を依頼しましょう。
その後は専門家の支援を受けながら、金融機関に債務整理の申出を行い、必要書類の作成や金融機関との協議を進めます。
債務整理の対象にしようとするすべての金融機関から同意を得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停条項が確定すれば債務整理は成立します。
ローン減免制度の注意点
ローン減免の新制度を利用する時の注意点3つ。
ローン減免の注意点
- 新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合は利用できません。
- 過去に滞納などの契約違反があると利用できない可能性があります。
- 特定調停の申立費用は債務者の負担となります。
今回の新制度は、あくまでも新型コロナの影響での失業・収入減により、債務の返済が困難になった個人・個人事業主(フリーランス)が支援の対象です。
新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合、新制度は利用できませんのでご注意ください。
まとめ

ローンを免除してもらっても、金融機関の信用情報(ブラックリスト)に載ることがありません。
ですので、別の事業を始めるために、新たな融資をうけたり、クレジットカードを新たにつくったりすることもできます。
生活や事業の再建につながりやすいことが一番のメリットです。
ただし、FPとして本当に困っている人に向けた情報ではあるもののこの制度を利用しても決して自分に甘えないでほしいという願いです。
制度を利用する前に、本当に他の手段はないのかよく考えてください。
就職活動を精一杯やりましたか。それでも職は見つかりませんでしたか。

コロナ禍で日常生活が突如として送れなくなる時代です。
そういった事態に備えて今後は、半年分(人によっては、1年や2年でないと不安な人はその分)の生活防衛資金を作りましょうね。
今回の反省を活かして、今後は何かおきても半年は生活できるだけの蓄えをしてください。
この制度ができた過去の自然災害での出来事が新しいガイドラインになっているということを念頭においておきましょうね。
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